離島旅行
営業本部 チーフ 8年目 大石浩由城(おおいしひろゆき)

こ10年近くの間、沖縄の離島へ旅行をしている。

宿泊先は決まっておじい・おばあが経営している民宿。離島の民宿の殆どが共同トイレや共同のシャワー室、 時には相部屋の場合もある。部屋にテレビは無いし、もちろんネットの環境も無い。普段の生活と比べると 圧倒的に不便な点が多い。それでも毎年、離島の民宿に宿泊している。 綺麗な海が目の前に広がる高級ホテルに泊まらないのは宿泊料が高くて泊まれないという理由もあるけれども・・・ ”離島まで来たならば、民宿に泊まらないと勿体無い”と思う。      
【初めての離島体験】

初めての離島旅行は八重山諸島の西表島であった。 台風が近づきつつある中での旅行だったが到着当初は台風の影響も無く、珊瑚礁が広がる綺麗な海でシュノーケリング、 カヌーに乗ってマングローブや滝の散策など、予定通り楽しく観光ができた。 しかし徐々に台風が近づくと、強風と土砂降りの雨で外出する事が出来ず民宿に缶詰状態となってしまった。 そんな状況になると当然??宿泊者が集まり”ゆんたく”と呼ばれる、飲み会が始まった。 その時の宿泊者は、大学のゼミで来ていた教授と学生、離島マニアのお姉さん二人、会社を辞めて一ヶ月以上 離島をまわってるバックパッカー、カメラ好きの芸大カップル、居酒屋を経営する一人旅のおっちゃん、などなどムサイ男三人旅の 私達にに負けず劣らずキャラの濃い面々だった。 ゆんたく初体験だった私は、恐る恐るの参加であったが、ついでつがれて急ピッチで飲む泡盛と旅行の疲れもあり あっという間に酔っ払らい、今日初めて会った事など忘れてしまう。島の良さを語り合い、年齢や立場など全く違うのだが 皆それぞれ日々の想いをさらけ出す。 気がつけば朝4時。最後までゆんたくに残ったのは教授・お姉さん二人・私であった。 次の日、朝食の時間に何とか起きた私だったが今まで経験した事の無い二日酔いで全く食べられず。 最後までゆんたくで一緒だった教授は廊下の手すりに捕まったまま動けず。お姉さん二人は平気な顔をして朝食を食べていた。。。 ゆんたくの楽しさ、泡盛の怖さを知った日となった。
【折込チラシの手紙】

与論島は沖縄本島北部より20数キロしか離れていない離島だが、鹿児島県の奄美諸島である。 文化は沖縄の影響を多く受けており、1980年代は与論島ブームで多くの観光客が訪れたが以降は沖縄に押され 観光客数が減少傾向にある。 与論島に行くと決まって泊まる常宿がある。このサトウキビ畑に囲まれた民宿は一泊素泊まり2000円。 素泊まりなのだが・・・おばあがポーポー焼き(沖縄の家庭的なお菓子)を焼いてくれたり、魚の粗の味噌汁、 パパイヤなどの自家製漬物を出してくれる。どれも美味しい。 ある時、帰り支度をする為に部屋に戻ると新聞の折込チラシがテーブルの上に置いてあった。 良く見てみるとチラシの裏に書かれたおばあからの手紙で、畑仕事があるから見送りが出来ないからと書いておいてくれたのだった。 宿泊に対する感謝、元気でいてまた来なさいと言う内容。そして最後に”PayPay〜”と書かれていた。 恐らくバイバイ〜と書きたかったのだろう。 大爆笑と同時におばあの温かい気持ちに涙が出てきた。
麗な海、

人の温かさ、出会い、そしてその環境の中で飲む美味しいお酒。私にとって全てが魅力的である。 今年もなんとか離島に行く事ができそうだ。 来年以降も継続出来る様に頑張っていこう。


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